今回はうなぎ屋さんとか、焼き鳥屋さんなどでよく用いられている、継ぎ足しの秘伝のタレについて私の体験談から書いていきます。
私は大学3年の夏にフィリピンへ語学留学に3か月間ほど行きました。
皆さんはフィリピンに対するイメージはお持ちですか?
「セブ島」
「発展途上国」
「英語も喋れる」
「雨季のイメージ」
「ムシムシしている」
など色々お持ちだと思います。上記のイメージを私も持って留学しにいきました。
ナイトマーケットといって夜のフリーマーケットのようなものが毎日開催されていました。そこには服であったり、靴など日本のフリーマーケットと同じようなものが個人商店で出品されています。
端っこには屋台が出ています。
私はその屋台で「バルート」という鶏のたまご(日本と違ってひよことたまごの間のようなもの)を食べたりしました。
見た目はなかなか気持ち悪いので、食べるのを決意するまで1週間ほどかかりましたが、意外と美味しく食べることができ、楽しんでいました。
ある程度慣れてきて、警戒心が薄れたのでしょうか。現地の方と同じように屋台にある食事を楽しんでいました。
屋台に出ている焼き鳥屋にいったわけです。そこでは味のないただ焼いただけの焼き鳥があり、味付けは客が店先にあるタレを勝手につける方式。
そのころちょうどフィリピンでは雨季に入っていたので、雨ざらしの状態でタレが置いてありました。フィリピンに行ったばかりの私であれば食べることはないと思いますが、その時の私は違いました。なんと、躊躇せずに、雨ざらしの不衛生そうなタレをたっぷりと付けて焼き鳥を食べていました。
すると、次の日見事に食中毒に(笑)
そこまで症状がひどくならなかったのが幸いでしたが、何かヤバめな微生物とか入っていたのでしょう。
そんなこともあったフィリピン生活でした。日本に帰国後しばらくして、もうすっかり食中毒の出来事など忘れ去っているときに、父と地元の美味しい焼き鳥屋に行きました。
店主のおじさんが焼き鳥をおもむろにタレに付けているのを見てフィリピンの時の食中毒を思い出しました。
日本ではこんなこと考えなかったけれど、焼き鳥屋でお腹壊したことないし。やっぱり日本は安全だな~と思いつつ、ふと思ったことがありました。
「何十年も継ぎ足ししている秘伝のタレって腐らないの?」
今までと変わらず日本にいて住んでいたら思いもしなかったことでした。
店主のおじさんに聞いてみると、「腐らないぞ!」と強めに返されました。
塩分濃度が高いと腐らないと聞いたことがありますが、タレはそこまで塩分濃度高くないはずだからなんでだろう?と疑問に思っていたのです。
それでも私の好奇心は収まらなかったので、さらに深掘りしてなんで?と聞くと自慢気にたくさん答えてくれました。
結論から言ってしまうと、
焼きたての焼き鳥をタレの入った壺に入れるので、その熱で低温殺菌できているのだとか。
とはいえ、数本のアツアツの焼き鳥では壺全体に殺菌効果が行き渡らないですよね?
おじさん曰く、商売繁盛している焼き鳥屋じゃないと”秘伝のタレ”は成立しないのだとか。
それを聞いて自分でもびっくりするくらい腑に落ちました。
だからこそ、人気店は秘伝のタレが成り立つのだと。
秘伝のタレがある焼き鳥屋さんは美味しい、人気のある証拠なのかもしれませんね。
是非試してみてくださいね。