皆さん初めまして、今回担当させていただく枝川と申します。
突然ですが、皆さんに一つクイズを出したいと思います。
非常に有名な水平思考クイズですので、知っている方もいらっしゃるかと思います。
「村一番のお馬鹿さん」
ある村の住人たちは、しばしばその「村一番のお馬鹿さん」を笑っていました。
彼はピカピカの50セントコインと、くしゃくしゃの5ドル札を差し出されると、いつも喜んで5セントコインのほうを取るのです。
5ドル札には50セントコインの10倍もの価値があるのに、なぜ彼はいつも50セントコインを選ぶのでしょうか?
さて皆さん、答えがわかるでしょうか。
ヒント1:「ピカピカ」と「くしゃくしゃ」は特に関係ありません。
ヒント2:彼はおそらく、非常に賢い人物でしょう。
答えが分かった方は下にスクロールして下さい。
答えは、【みんなが半永久的に50セントをくれるから】です。
ちなみに私は、初見の時には答えが分かりませんでした。「彼」は非常に頭のいい人物ですね。加えて、ずっと馬鹿なふりをしているわけですから、非常に狡猾とも言えますね。
サブスクリプションサービスって、便利ですよね。
何故私が今回、あのようなクイズを出したか。それは、「彼」の考えていることはまさしく、現在流行しているサブスクリプションサービスの考え方と近いと思ったからです。
サブスクリプションサービスって、非常に便利ですよね。皆さんも様々なサービスを利用していると思います。Apple Music、Amazonプライム会員、Sportify、Netflix、Huluなどなど、挙げるときりがありません。
わたしたち消費者の視点からすると、購入するより安く利用できますし、必要な時にだけ利用できる。さらには、定額を払えば利用し放題なので、お得感もありますよね。
一方、企業の視点からすると、継続的な収益が見込めますし、顧客データを入手できる。たくさん利用してくれる顧客に対しては、他の顧客よりも良いサービスを提供することで囲い込みを行います。
何となく、さっきのクイズとサブスクリプションサービスが近いことが分かっていただけたでしょうか。完全一致とまではいきませんが、「彼」が考えている「継続的収入」「顧客の囲い込み」という点は類似しているかと思います。
「彼」は毎回、あえて50セントを選ぶことで「村人を笑わせる」というサービスを提供し、そのお返しに50セントという収入を継続的に得る、ということですね。
今後も拡大するサブスクリプション市場
矢野経済研究所によると、2019年度のサブスクリプション市場は6835億2900万円であり、2020年度には前年度比15.2%増の7873億円もの規模になると予測されています。また、2023年には1兆円を超える市場規模になると予測されています。
かつては、映画は映画館で見るものでした。流行の歌はCDを買って聞くものでした。しかし現在は、映画も歌もすべてサブスクリプションサービスが提供してくれます。
それだけではありません。今後はメディア業界だけではなく、様々な業界がより一層サブスクリプションに参入してきます。最近では、毎月家に花を届けてくれるサービスまであるそうですよ。
するとどうなるか。わたしたちは「自分の物」を持たなくなるでしょう。すべてレンタルで済んでしまいます。MaaSという言葉を聞いたことがある方はピンときたかもしれませんね。
わたしたちの生活は今後どのようになっていくのでしょうか。
あなたはこの変化のスピードについていけるでしょうか。
たまにはこのようなことに思索を巡らせるのも一興ですね。
それではまた。